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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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風の電話に「来ました」 亡き夫約束の椅子

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夫が約束した「風の電話」の長椅子に銘板を留める上田恵都子さん(右)。中央は佐々木格さん=岩手県大槌町吉里吉里でで2017年5月13日、鬼山親芳撮影
夫が約束した「風の電話」の長椅子に銘板を留める上田恵都子さん(右)。中央は佐々木格さん=岩手県大槌町吉里吉里でで2017年5月13日、鬼山親芳撮影

 思いを伝えることで悲しみが癒やされるという、岩手県大槌町吉里吉里の「風の電話」。昨年11月にがんで亡くなった会社員、上田雅士さん(当時58歳、横浜市出身)が訪れて「私が死んだ後、電話をかけに来るかもしれない妻のために、腰を下ろせる椅子を寄付したい」と申し出たのは2015年12月だった。生きていれば59歳の誕生日の13日、妻の恵都子さん(61)が訪れた。1年半ぶりに夫の約束を果たし、受話器を握って涙した。

 雅士さんは日本IBM(東京)の技術者で、海外生活も長かった。震災の時は国際協力機構の一員としてラオスにいた。帰国後、「被災地を支援したい」と大槌町に赴任。その時に、「風の電話」が設置してある庭園師、佐々木格(いたる)さん(72)宅を尋ね、妻への思いを込めて提供を申し出た。

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