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中国の「一帯一路」会議 信頼得られる援助構想を

 中国が提唱する陸と海のシルクロード経済圏構想「一帯一路」の推進に向けた初の国際首脳会議が開かれた。インフラ投資を通じ、アジアからアフリカ、欧州につながる地域の発展を目指す巨大プロジェクトだ。

     経済大国になった中国が世界の発展や安定に寄与しようとするのは望ましい。しかし、自国の経済、軍事戦略を優先するなら距離を置きたくなる。是々非々で協力を考えたい。

     会議には東南アジアや中央アジア各国の首脳ら約130カ国の代表が参加した。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を主導し、シルクロード基金を創設した中国の資金力への期待が大きいのだろう。

     日米が主導するアジア開発銀行(ADB)もアジアでは2030年までに約2900兆円のインフラ需要があると試算し、AIIBとの協力姿勢を示している。

     一方で中国には鉄鋼など過剰な生産能力を活用し、高速鉄道など自国のインフラ技術の輸出にもつなげたいという思惑がある。これに米主導の国際秩序を変えていこうとする戦略も重なる。習近平(しゅうきんぺい)国家主席は会議で「中国は内政に干渉せず、発展モデルを押しつけることもない」と米国との違いを強調した。

     しかし、露骨に覇権拡大に利用されるのでは周辺諸国はたまらない。インドは対立するパキスタンと中国を結ぶ経済回廊建設やインド洋での港湾建設を警戒している。日米など主要7カ国(G7)は今年の議長国のイタリアをのぞき、首脳の参加を見送った。習主席のかじ取りがどうなるか。まずは様子見の構えだ。

     中国が真剣に「一帯一路」の発展を考えるなら朝鮮半島や南シナ海など周辺地域の安定が不可欠だ。南シナ海で自ら緊張を高めているようでは構想の実現はおぼつかない。

     国際基準に沿った援助が進められるかも懸念材料だ。返済能力に見合わない過剰融資や汚職が横行すれば、健全な発展にはつながらない。習主席が提唱する「平和で繁栄し、開放された道」の実現には、中国自身の体質改善も必要だ。

     日本はシルクロードの東方の終着点だ。外から批判するだけでは影響力は限られる。部外者でいいのか。中国とも対話を重ね、協力のあり方について考えたい。

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