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「日本も導入の実験を」ブレグマン氏

ベーシックインカムについて会場からの質問に答えるオランダの歴史家でジャーナリストのルトガー・ブレグマン氏=横浜市港北区の慶応大学ビジネススクールで2017年5月16日、中村美奈子撮影

 必要最低限の生活を保障する収入を人々に支給する「ベーシックインカム」の導入を呼びかける、オランダの歴史家でジャーナリストのルトガー・ブレグマン氏(29)が16日、横浜市港北区の慶応大学ビジネス・スクールで講演した。ブレグマン氏はカナダやフィンランドでのベーシックインカムの社会実験について紹介し、「貧困は国家のコストを増大させている。AI(人工知能)の出現で仕事のあり方が激変する今、日本でも小規模の実験を行うべきだ」と語った。

     ベーシックインカムは約500年前、英国の哲学者、トマス・モアが提唱した貧困根絶策。福祉政策をすべてやめる代わりに、国民の権利として現金が支給され、使い道は自由。1970年代にはカナダと米国で社会実験が行われた。その結果、犯罪件数や子供の死亡率、家庭内暴力の件数が減少し、病院の入院期間の短縮や学業成績の向上が見られたという。

     この日、ブレグマン氏は慶応大学大学院の岡田正大教授とパネルディスカッションもした。岡田教授が生活保護とベーシックインカムの違いを問うと、ブレグマン氏は「ベーシックインカムは施しではなく人間に対する投資。国民全員に無条件で支給する点が、生活保護と違う」と説明した。また、今年1月にフィンランドで始まった1人600ドルを支給する実験については、「まだしっかりとした結果が出ていないが、被験者のストレスレベルが下がっているといい、大変すばらしい経過だ」と説明した。

     質疑応答では財源確保をめぐる質問があり、ブレグマン氏は「財源は国によって違い、税金やファンドなどいろいろな手法がある。処方箋はさまざまだ」と応じた。

     ブレグマン氏は著書「隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働」(文芸春秋)の出版を記念し、オランダ大使館の招きで来日した。同書は25日、全国で発売される。【中村美奈子/統合デジタル取材センター】

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