従来のソーシャルメディアはソーシャル(社会)に向けて開かれず、仲間同士が相互にフォローしあう共同体を内部に作る傾向が強かった。こうした閉じた共同体内では客観的基準に照らした検証が進みにくく、流言や虚報の温床となりがちだ。結果としてそこでは「フェイク(偽)ニュース」が影響力を持ち、労働力のグローバルな移動を拒んだ英国の欧州連合(EU)離脱や米国のトランプ政権誕生といった、やはり国家という共同体に閉じようとしたナショナリズム再興の流れを後押しした。
ならば最新のソーシャルメディアとして注目を集めている「マストドン」はどうか。マストドンのプログラムは公開され、誰もが「インスタンス」と呼ばれるサーバーを立ち上げられる。出身地域や趣味を同じくする人たちが集まって個別にインスタンスを作り、同質的な共同体を形成することをマストドンは初めから想定しているのだ。
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