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佐藤優・評 『プロテスタンティズム-宗教改革から現代政治まで』=深井智朗・著

 (中公新書・864円)

世俗化した強力な宗教

 一般向け新書であるが、神学的水準が極めて高い。今後、本書が日本におけるプロテスタンティズムに関する基本書になる。

 今から500年前の1517年にドイツの修道士マルティン・ルターが、教会による贖宥(しょくゆう)状(いわゆる免罪符)の販売を批判する「九五カ条の提題」を発表したことをきっかけに宗教改革が始まる。当初、ルターは、この問題提起が歴史の流れを変える大きな運動になるとは考えていなかったが、カトリック教会と対抗するプロテスタント教会を生み出すに至る。この過程がダイナミックに描かれている。本書の特徴は古プロテスタンティズム(国家と結びつき、思想的には中世の枠組みを超えていない)と新プロテスタンティズム(国家と結びつかない自由教会で近代的思考をする)との分節化に多くの頁(ページ)をさいていることだ。<プロテスタンティズムという宗派も、教会と支配者(あるいは国家)との関係、教会という宗教団体の社会的性格という点では大きく分けると二つのタイプのプロテスタンティズムが存在していると言ってよいであろう。それを見分けることが今日のプロテスタンティズムを正しく理解する鍵となるであろう。/(中略)一つは古プロテスタンティズムの伝統を受け継いだプロテスタンティズムである。宗教の改革や既存の宗教制度への批判から…

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