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詩歌の森へ

花はなぜ咲くのか=酒井佐忠

 危機や悲劇に対し詩の言葉はどう向き合うべきか。とりわけ3・11以後、自らに問いかける詩人の河津聖恵(きよえ)の新詩集『夏の花』(思潮社)が刊行された。「夏の花」は広島の被爆体験をもとにした原民喜の短編からの発想。河津の詩は、京都などで開かれた原発事故後の写真展「奪われた野にも春は来るか」に触発され書かれたものだ。原民喜の言葉を多く引用しつつ、<ここに花は咲くのか なぜ咲くのか/雲深い空にまだわずかに/あかあかと護られてある一滴の涙のためか>と、問うている。

 さらに、今年生誕100年、没後72年の詩人、尹東柱(ユンドンジュ)への思いも語られる。尹は、第二次世界大戦中に朝鮮半島の大学から立教大、同志社大に留学中の1943年、治安維持法違反の嫌疑で逮捕され、朝鮮解放の半年前に獄死した。韓国ではよく知られた詩人。同志社大には詩碑があり、立教大では毎年追悼ミサがある。詩集『空と風と星と詩』などで、ひたすら純粋に生きる希望を求めた詩人の足跡を追って河津は、彼の…

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