メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

賛否惑う 世論調査結果、各社でばらつき

憲法9条に自衛隊を明記することに関する主な世論調査の比較

 安倍晋三首相が3日、憲法の9条1項と2項を維持した上で自衛隊の存在を明記する改正案に言及したことについて、報道各社の世論調査結果が出そろいつつある。ところが、比較すると傾向は一様ではない。質問や回答の選択肢が違うためだ。条文をどう書くかは自民党内でも本格的な検討が始まっていない。9条改正賛成派も反対派も、今の段階で結果に一喜一憂するのは早いと言えそうだ。

 最新の数値は20、21両日に調査を実施した毎日新聞と共同通信。毎日は首相の9条改正案への賛否を3択で聞いた。結果は「わからない」32%▽「反対」31%▽「賛成」28%--とほぼ並んだ。

 回答に「わからない」を設けたのは、首相が具体的な条文案に踏み込んでいないためだ。9条2項が保持を禁じた「戦力」と、「日本を防衛する必要最小限度の実力組織」の自衛隊をどう整合させるかは、実はそう簡単ではない。首相が言うように自衛隊の違憲性を解消するのが目的なのか。それとも、自衛隊の役割を拡大する意図があるのか。そこが明確にならない現状では、回答をためらう有権者がいると考えた。

 毎日と同じく3択で聞いたNHKの調査(12~14日)でも、最も多かったのは「どちらとも言えない」で41%。「賛成」は32%、「反対」は20%だった。

 一方、共同は「憲法を改正して9条に自衛隊を明記する必要があると思うか」と聞き、「必要だ」(56%)が「必要ではない」(34.1%)を大きく上回った。

 これとほぼ同じ傾向だったのが、読売新聞(12~14日調査)と産経新聞・FNN(13、14日調査)だ。

 対照的に朝日新聞の調査(13、14日)では、「改正をする必要がある」が41%、「その必要はない」が44%だった。必要性を尋ねた点では共同と同じなのに、なぜ結果が違ったのか。

 これは質問文の違いが影響したと考えられる。朝日の質問は「このような憲法9条の改正をする必要があると思うか」。共同に比べ、9条改正そのものへの賛否をより強調する聞き方になっている。

 東京工業大の西田亮介准教授(社会学)は「首相の提案は、従来になく不安定化した国際状況下で、憲法施行70年という節目に、リベラル派でも意見の分かれる自衛隊の存在という絶妙な点を突いている。一方で、国民発の議論でないため有権者の理解は進まず、このままでは関心の低下を招きかねない。国民の理解が進んでいるか、継続的に注視していく必要がある」と指摘する。【大隈慎吾】

関連記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 母子死亡 予備タイヤ落下か 広島の会社、現場にチェーン
  2. 台風21号 列島大雨に 「特別警報」の可能性
  3. 台風21号 西日本、東日本大荒れに 23日朝本州上陸も
  4. 衆院選 党首の訴え、響いたか アキバ、首相に声援と批判
  5. 衆院選2017 各党 選挙公約(その1)

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

[PR]