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社説

英コンサート会場爆破 欧州は対テロで再結束を

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 多くの人が集まり警備が脆弱(ぜいじゃく)なソフトターゲットがまた狙われた。

     英国中部マンチェスターのイベント会場で爆発があり、80人を超す死傷者が出た。

     若者に人気が高い米女性歌手のコンサートが終わり、観客が帰路につくところだった。10代の若者が多数犠牲になったとみられている。

     警察は自爆テロとみている。無差別に市民を狙った卑劣な犯行は許されない。

     英国のテロでは、2005年に52人が死亡したロンドン同時爆破テロ以来の犠牲者数となった。

     今年3月にもロンドンの国会議事堂近くで、男が車で通行人を次々とはねるテロ事件があり、当局は警戒を強めていた。それでも起きた今回の事件は、テロを防ぐ難しさを改めて突き付けた。

     欧州各国で相次ぐテロは、市民を不安に陥れ、これに乗じて移民やイスラム教徒の排斥を訴える極右勢力が伸長している。テロへの恐怖が分断を広げることにならないか懸念されている。

     事件が起きたマンチェスターではテロで鉄道が止まり、帰宅できなかった観客らに宿泊所を提供しようという住民の呼びかけがツイッターなどで広がっている。分断でなく連帯を呼びかける声の広がりは心強い。

     欧州では近年、自国第一主義の風潮が台頭している。英国は昨年6月の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた。移民に職を奪われることへの不安などをあおった勢力がEU離脱への支持票を押し上げたためだ。

     だが、市民社会を脅かすテロは欧州共通の脅威である。それだけに、テロ対策で各国は再結束を図らねばならない。

     メルケル独首相は事件を受け、英国とともにテロと戦う「我々の決意を強めるだけだ」と強調した。マクロン仏大統領も英国民への「哀悼と連帯」を表明した。

     EU離脱交渉では英国に厳しい姿勢を見せている欧州各国からの連帯表明は、危機感の表れだろう。

     イタリアでは今週末、主要7カ国(G7)首脳会議が行われる。憎悪と分断をあおるテロの脅威に立ち向かうために、連帯を確認しなければならない。

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