連載

果てなき道

神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されて24日で20年となる。遺族の思い、少年更生の現場、被害者を巡る現状を取材し、終わることのない道のりをたどる。

連載一覧

果てなき道

神戸小学生連続殺傷20年/下 社会動かした声

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 数メートル先に座った少年の背中を傍聴席から見据えた。「無念は晴らすよ」。傍らに置いた息子の遺影に語り掛けた。昨年1月、神戸家裁尼崎支部の審判廷。兵庫県尼崎市の主婦、山内千恵子さん(54)は被害者遺族として少年審判を傍聴した。

 次男の美輝(よしき)さん(当時16歳)は2015年3月、同市内の踏切で命を落とした。オートバイで並走した同級生の少年(同16歳)に乗っている自転車を押され、電車にはねられた。「怖い、怖い」と叫びながら50キロ近い速度で突っ込んだという。

 逮捕された少年の審判に向け、千恵子さんは陳述書を書いた。「まだ命の尊さを分かっていない。ちゃんと罰を与えてほしい」。裁判官が代読した。少年の表情は見えなかったが、それでも「思いを伝える場所があって救われた」と感じる。

この記事は有料記事です。

残り694文字(全文1035文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集