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見つめ続ける・大震災 93歳、新居の暮らし

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桜塚地区の集会所で開かれた花見会に参加した鈴木ふちいさん。集会所でのイベントに参加したのは初めてだったが、住民らと輪投げで遊び、笑顔を見せた=4月
桜塚地区の集会所で開かれた花見会に参加した鈴木ふちいさん。集会所でのイベントに参加したのは初めてだったが、住民らと輪投げで遊び、笑顔を見せた=4月

 「仮設の方が楽しかった。みんな集まってにぎやかだった」。1人で暮らす新居の掃き出し窓から外を眺め、鈴木ふちいさん(93)は何度も口にした。宮城県山元町で生まれ育ったふちいさんは今春、仮設住宅から町内の災害公営住宅(復興住宅)に引っ越した。90代で始まった「新生活」に、まだ慣れない日々が続く。

 2011年の東日本大震災による津波で、ふちいさんは同町磯地区で50年以上営んだ雑貨店兼住宅を失った。県外での避難生活などを経て同年夏、町内の中山熊野堂仮設へ。約120戸の半分以上が磯地区からの住民。雑貨店が地域の「お茶飲み場」だったふちいさんの部屋は、連日にぎわっていた。

 天気の良い日は住民が外に出て言葉を交わす温かい雰囲気の仮設だったが、復興住宅の整備に合わせ、16年度末をめどに住民の退去が決まった。ふちいさんも3月、町内で最後に整備された町営桜塚住宅(72戸)に移った。

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