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それはどこかに向かうための自転車ではない。
一人の男子生徒が、全長が2・3メートルもある自転車にまたがった。2人乗りの「タンデム」と呼ばれる自転車。先導役を務める前席の運転者がペダルを緩めると、後ろ席の生徒は脚が重くなった。それでも懸命にこぐと、生徒の顔には前方に設置された扇風機から爽快な風が吹き出した。
都立文京盲学校で行われたパラリンピック教育の授業。自転車男子タンデムで2004年アテネ、08年北京、12年ロンドンの3大会連続に出場した同校教諭の大城竜之さん(45)が指導した。北京大会で実際に使用したタンデムを持ち込んだ。屋内練習用にタイヤが空回りする仕掛けで、自転車は実際に進まない。だが、「自転車をこいだことがない生徒たちに風を切る快感を味わってほしい」と、扇風機で生徒の顔に風を向けた。
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