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余録

競馬は初夏の季語だ…

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 競馬は初夏の季語だ。といっても普通は5月5日に京都の上賀茂(かみがも)神社で行われる賀茂競馬(くらべうま)を指す。競い馬とも呼ばれ、2頭の馬が直線コースで速さを競う。900年以上続く神事である▲馬は古代から最速の移動手段であり、強力な軍事力でもあった。紀元前2世紀、漢の武帝は1日に千里を走り、血の汗を流すという「汗血馬(かんけつば)」を得るため、西域に大軍を派遣した。人間がいかに速くて強い馬に執着してきたかを示す故事だ▲農耕民族の日本人も例外ではない。続日本紀(しょくにほんぎ)には8世紀初頭、文武天皇が端午の節句に「走馬」を見学したという記録が残る。その後も宮中行事として天覧競馬が行われた。賀茂競馬はその流れをくむわけだ▲枕草子には「胸つぶるるもの 競馬見る」とある。清少納言も胸をどきどきさせて競馬を見守ったのだろう。徒然草(つれづれぐさ)にも賀茂競馬が多くの見物客でにぎわう様子が描かれている▲近代競馬が伝わったのは江戸末期。横浜に居留する外国人が主催し、競馬場もつくられた。明治初期には今の靖国神社で奉納の形を取りながら、洋風の楕円(だえん)形コースを使った和洋折衷の競馬が開催されている▲外来文化を巧みにアレンジして吸収するのは日本の得意な手法だ。明治以来、国産馬の改良を続け、「生きた芸術品」と呼ばれるサラブレッドの生産でも欧米に負けない水準になった。きょうは3歳馬の頂上決戦、日本ダービー。本場の英国ダービーを上回る観衆を集める伝統のレースをじっくりと楽しみたい。

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