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社説

安倍首相の在任 戦後3位に 「1強」のひずみは深刻だ

 学校法人加計学園を巡る問題が大きな焦点となる中での節目である。

 安倍晋三首相の在任日数が第1次内閣を含めて、きょう通算1981日となり、小泉純一郎元首相を抜いて戦後3位となる。

 自民党総裁任期が延長され、安倍政権は2021年まで続く可能性がある。しかし現状は「安倍1強」のひずみが一段と目立ち始めている。

 首相の友人が理事長を務める加計学園が国家戦略特区で獣医学部を新設する計画に関する一連の問題は、この「1強」状況の下で必然的に起きたと言えるかもしれない。

 文部科学省の前川喜平前事務次官が内部文書は本物だと証言したことで、疑問の核心は、新設は実際に首相の意向なのか、首相の意向を盾に内閣府が文科省などの慎重論を押し切ったのか--に移っている。

 既に指摘したように、各府省の幹部人事は今、内閣人事局が握っている。しかも安倍政権はさらに長期化すると思えば、官僚は自らの人事への影響をより恐れるようになる。

 それが首相の意向を官僚が「そんたく」し、首相官邸に対して、言うべきことも言わなくなる土壌を生んでいないか。これはまさに「政治の本質」を問う問題である。

 にもかかわらず菅義偉官房長官の対応は前川氏に対する個人攻撃が目立ち、与党も前川氏の国会招致を拒否している。そして、解明を拒む姿勢に異を唱える声は自民党の中ではごく少数だ。深刻なのはそこだ。

 首相の最大目標とされる憲法改正も同様だ。首相は憲法9条の1、2項を堅持したうえで自衛隊を明記する文章を追加する考えを唐突に示した。これまで自民党内でほとんど議論されたことのない案だ。

 ところが首相が言い出した途端にその具体案作りが既定路線のようにして急速に進んでいる。

 安倍内閣の支持率は高水準を保っている。民進党など野党は圧倒的に数が足りない。政権が強気なのはそうした背景もあるのだろう。

 小泉氏は郵政民営化など自民党内の反対派と戦う姿を示すことで人気を博した。小泉政治の評価は分かれるが、当時の自民党には表に見える活発な議論があったのは確かだ。

 自由にものが言えない政治がますます進むことを恐れる。

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