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社説

G7が対テロ・ネット規制 ISを封じ込めるために

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 主要7カ国(G7)首脳が、テロ対策での一層の連携強化に向けて、「テロ及び暴力的過激主義に関する声明」を採択した。

 G7はこれまでもテロへの取り組みを重ねてきたが、今回はインターネット空間がテロに悪用されている深刻さに焦点を当てた点が特徴だ。

 首脳会議の直前に起きた英マンチェスターでの自爆テロ事件では、容疑者がネット上の動画で爆弾の製造方法を学んでいたとみられている。

 声明にはメイ英首相の主導で、通信サービスのプロバイダーやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)会社に取り組みの強化を求め、暴力をあおるコンテンツを自動的に検知する技術の開発を促すなどの内容が盛り込まれた。

 中東のシリアを拠点とする過激派組織「イスラム国」(IS)の支配領域は米欧やロシアによる攻撃で縮小傾向にある。だが、その過激思想はネットで世界に広まり、影響を受けた若者らが欧州やアジアなどでテロ事件を起こしている。

 ISは、動画など洗練された作りのサイトで若者を洗脳し、外国人戦闘員として勧誘する。中東へ行かなくても欧州でテロを起こせばよいとも指南する。出入国の監視だけでなく、バーチャルな世界での過激思想の拡散を遮断しなければ、テロを防げなくなっているのが現状だ。

 このため、ネット空間の取り締まりで協力を深めることは重要だ。G7の技術力と知恵を集めて、有効な対策を編み出すことが求められる。

 半面、ネット規制の技術は国家による言論介入に悪用される恐れもある。ロシアや中国では「過激主義」が反体制派を取り締まる口実にも使われる。

 信仰や表現の自由は尊重されなくてはならない。ISなどの過激思想の規制とどう両立を図るかは、議論の必要があるだろう。

 欧州では、移民系の若者が失業や差別など社会格差への反発から過激思想に染まりやすいことも指摘されている。G7声明がこれを認め、取り締まり強化だけに偏らない経済・社会政策も含めた「包括的なアプローチ」を確約したことは妥当だ。

 捜査情報だけでなく、こうした地道な取り組みでも、各国間で情報や経験が共有されるよう求めたい。

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