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本土決戦へ虎の子部隊
静かな住宅街に、木々の新緑が映える。今月中旬、栃木県佐野市を訪れた。目指すは同市立植野小学校かいわい。今から72年前の春、この佐野に、旧満州(現中国東北部)から日本陸軍の戦車部隊が移転してきた。
連合国軍の侵攻を受ける日本軍にとり、戦車およそ100両からなるこの部隊は虎の子の戦力であった。敵の本土上陸が現実味を帯びる中、首都圏を守るために北関東に配置された。
新潟などを経て佐野に到着した部隊の中に、福田定一少尉がいた。のちの作家、司馬遼太郎だ。21歳、戦車4両を率いる小隊長だった。
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