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社説

G7の「反保護主義」弱まる 世界への責任果たせるか

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 「米国第一」を掲げ、国際協調を軽んじるトランプ米大統領にこれからも翻弄(ほんろう)されるのだろうか。

 主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)は、そうした懸念を強く抱かせる異例の展開となった。

 焦点の一つは「反保護主義」を首脳宣言で引き続き明記できるかだった。米貿易赤字の削減を最優先課題とするトランプ政権が削除を求め、米国以外の国と対立した。

 最終的に従来の表現を弱めた「保護主義と闘う」との文言で折り合った。だからといってトランプ氏が「米国第一」を引っ込めたわけではない。持論の「公正な貿易」を各国に認めさせ、宣言に盛り込んだ。

 貿易が公正かどうかは、各国で解釈が異なるケースも少なくない。しかし、トランプ政権は、米国が一方的に不公正と判断すれば、関税引き上げなど報復を辞さない構えだ。

 G7がこれまで「反保護主義」で一致してきたのは、自国経済を優先して報復合戦に陥ると、国際秩序の混乱を招く恐れがあるからだ。

 だが、米国が自前の判断で保護主義に踏み出す余地を残した。

 もう一つの焦点となったのは、地球温暖化対策だ。

 一昨年の首脳宣言は温室効果ガス削減の数値目標を示した。これが布石となって新興国も含めた国際的枠組み「パリ協定」が採択された。

 今回は、消極的な米国とほかの国の溝が埋まらなかった。トランプ氏は米石炭産業の復興を唱え、パリ協定離脱を検討中だ。米国が抜けると協定が骨抜きになりかねない。

 本来、先進国の集まりであるG7は、世界経済の安定に責任を負う。また、地球環境の保護は、世界経済を持続的な成長に導く前提だ。

 中国など新興国の発展に伴い、G7の経済規模が世界に占める比重は低下している。だが「反保護主義」などの価値観を共有し、国際協調をリードする役割を果たしてきた。反グローバリズムが広がる中、G7が結束する必要性は増している。

 G7を主導してきたのは米国だ。その指導者がグローバルな課題に向き合わず、各国が振り回されるようでは、世界に対する責任を十分に果たせなくなるのではないか。

 再結束に向け、日欧加の首脳はトランプ氏の説得を続けるべきだ。

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