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社説

原子力規制委員長に更田氏 独立性保ち厳格な判断を

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 原発の安全審査などを担う原子力規制委員会の次期委員長に、更田(ふけた)豊志委員長代理が昇格する。国会同意を得ており、今年9月に田中俊一・初代委員長からバトンを引き継ぐ。

     更田氏は国会の所信聴取で安全審査の遅れを指摘された際、「安全には妥協できない。判断するまで十分納得いく議論をする必要がある」と述べた。その言葉通りに、政治権力や電力会社の干渉に左右されない独立性の高い機関のトップとして、原子力の安全を追求してほしい。

     東京電力福島第1原発事故では、規制当局と電力会社のもたれあいが指摘された。それを教訓に、5年前に発足したのが規制委だ。

     規制委は原発の新規制基準を策定し、安全審査会合などを原則公開した。高速増殖原型炉「もんじゅ」を巡っては、運営主体の原子力研究開発機構の交代を勧告し、政府による廃炉の決断を導いた。福島以前に比べ、原子力規制行政の透明性と独立性が高まったことは確かだ。

     更田氏は原子炉の安全工学の専門家で、規制委の初代委員として田中委員長を支えてきた。

     しかし、原発再稼働に反対する国民が多数を占めるなど、原子力規制行政に対する国民の不信、不安はいまだに根強いものがある。これには規制委の対応も関係している。

     一つは、原発事故に備えた避難計画の策定が自治体任せにされ、原発の安全審査の対象外であることだ。避難計画が機能するのかどうか、住民が不安に思うのは当然である。

     原発の安全対策と避難計画は原子力防災の車の両輪だ。本来なら、避難計画も安全審査の対象とすべきであり、更田氏は制度の見直しを政府に働きかける必要がある。

     もう一つは、福島第1原発事故をきっかけに定められた原発40年廃炉の原則が骨抜きになったことだ。

     審査期間が限られる中、規制委は関西電力の老朽原発の審査を他の原発より優先して進め、既に3基の原発の延命を認めている。「延長は相当に困難」と言ってきた規制委の言動と現実が乖離(かいり)している。

     規制委は発足時に「確かな規制を通じて、人と環境を守る」ことを使命に掲げた。更田氏には、その使命にもとることなく、国民の安全を最優先にした対応を求めたい。

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