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社説

安倍政権と公文書管理 法の精神を踏みにじるな

 公文書管理法は、公文書を健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源と位置づける。公開に備え、適切に作成し、保存すべきだ。

     だが、安倍政権下で法の精神を踏みにじる対応が相次いでいる。

     「加計学園」の獣医学部新設を巡っては、「総理の意向」と記された文書の確認を拒んでいる。

     管理法は行政文書について、(1)行政機関の職員が職務上作成する(2)職員が組織的に用いる、と定義づけている。文部科学省の前川喜平前事務次官が説明するように、部下から報告を受けた際の資料であれば、行政文書に当たる。決裁文書だけが公文書ではない。

     だが、文科省は担当課のパソコンの共有フォルダーだけを調べて「確認できなかった」と結論づけた。

     官僚は表に出ると都合の悪い文書を、私的なメモとして個人用のパソコンに残すケースがあるという。加計学園の問題でも、共有フォルダーを調べるだけでは不十分だ。

     私的メモで済まされた場合、情報公開請求しても「文書不存在」となり、国民の検証の機会が奪われる。

     この問題では、国家戦略特区の選定の公正さに疑いがもたれている。根拠がないというならば、首相が率先して文科省に徹底調査を命じ、解明に当たるべきだろう。

     管理法は首相の強い権限を定める。行政機関に対し調査を実施させたり、改善の勧告をしたりできる。

     不明朗な公文書の扱いは、学校法人「森友学園」への国有地売却問題でも明らかになった。

     財務省が森友側との払い下げ交渉の記録を「保存期間は1年未満」との理由で廃棄したというのだ。

     8億円もの値引きにかかわる文書である。税金の使途は、重要な国民の知る権利だ。公文書の専門家も、財務省の廃棄の違法性を指摘する。

     しかも、財務省のシステム入れ替えが今月始まり、記録の復元ができなくなる恐れがあるという。消失させぬよう早急に対策を取るべきだ。

     公正で民主的な行政手続きだったのか。そこが森友問題や加計学園問題の根幹だ。どういう経緯で意思決定したのかを、公文書によって後世に分かるようにすることが主権者である国民への責務だ。管理法の理念を徹底させなければならない。

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