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社説

天皇退位法案 衆院通過へ 開かれた議論を続けよう

 天皇陛下の退位を実現する特例法案がきょう衆院を通過する運びだ。きのう委員会で審議が行われ、政府に安定的な皇位継承策などの検討を求める付帯決議案も採択した。

     陛下のご高齢など時間的な制約から特例法による対応はやむを得ない。ただし、仮に1年半後に陛下の退位が実現すれば、皇位継承資格のある皇族の減少はより深刻になる。

     だからこそ、特例法案の付帯決議で安定的な皇位継承やそれに向けた検討期限をどう明示するか、が焦点だった。しかし、採択された決議の内容は不十分と言わざるを得ない。

     決議は、先延ばしできない重要な課題として「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」と記した。

     安倍政権内には「女性宮家は将来の女系天皇につながる」と反対論が強い。女系天皇など皇位継承と女性宮家をあえて並列にすることで、それぞれ別の問題と位置付ける狙いがあるのだろう。

     菅義偉官房長官も答弁で「皇位継承問題と切り離す前提だ」と関連付けを否定した。

     検討開始の時期も明確ではない。決議には「本法施行後速やかに」とあるだけだ。菅長官は「(退位の)準備にどれだけの期間が必要か判断するのは困難だ」と明言を避けた。検討結果の国会報告も「速やかに」と期限を特定していない。

     陛下が退位し皇太子さまが即位すれば、皇位継承資格を持つ子世代は秋篠宮さまの長男悠仁(ひさひと)さまだけになる。皇位の安定的な継承策の検討は施行を待たず急ぐべき課題である。

     こうした問題を抱えながらも、天皇の退位など象徴天皇制の本質に関わる問題が開かれた国会の場で議論されたのは、画期的といえよう。

     法案は衆院議院運営委員会に付託され、審議には予算委員会などを開く広い会議室が使われた。特例法案の調整を主導した大島理森、川端達夫正副議長も出席し、この模様はテレビで生中継された。

     天皇の地位は主権者である国民の総意に基づいている。政府が決めたことを与野党がただ追認していたら、国民主権からかけ離れる。

     参院でも来週、審議が続く。皇位継承や皇族減少の課題を先送りせず、深みのある議論を期待したい。

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