連載

中村文則の書斎のつぶやき

芥川賞作家・中村文則さんが、いろいろな場所の「書斎」から、さまざまなことをつぶやきます。

連載一覧

中村文則の書斎のつぶやき

テロ等準備罪に反対

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 テロ等準備罪。施行されたら大変なことになる。一人の作家として反対する。

 現在の法律にも重大犯罪には予備罪があり、実はさらに陰謀罪も共謀罪もある。外国で時々テロを未然に防いだ報道があるが、現在の日本の法律で可能である。

 なら現在でも国民の内面に踏み込む法律があって問題だ! となるが、これらは刑法における「内面には入らない。行動してから罰する」原則のいわば「例外」としてある。だから警察も、予備罪は例えばテロはもちろん、殺人や強盗などの重大時にだけ適用する(時に拡大解釈もする)。実はこの「予備罪の拡大解釈」で、ぬれぎぬを着せられた事例も既にあるが、その数がまだ少なくて済んでいるのは「基本的には例外」の姿勢があるからだ。今でも本当にテロを事前に察知したら、警察は予備罪だけでなく、陰謀罪も共謀罪も使って当然逮捕する。特に破壊活動防止法の陰謀の罪は「本当の緊急事態なら」はっきり言って何でも事前に逮捕できる。

 では何のために「テロ等準備罪」が必要か。このテロなどに限った例外を「一般的なもの」にするためだ。

この記事は有料記事です。

残り1335文字(全文1788文字)

あわせて読みたい

注目の特集