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川本三郎・評 『東京の編集者 山高登さんに話を聞く』=山高登・著

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 (夏葉社・2484円)

小さな宝石のような美しい本

 大正十五年東京生まれ、今年九十一歳になる山高登さんは、懐かしい昭和の東京を描く木版画家として知られる。木の質感の暖かさで、失なわれた東京の風景が静かに、優しくとらえられる。その作品が好きで何点か部屋に飾っている。

 山高さんはもともと新潮社の文芸編集者だった。昭和二十二年から五十三年まで約三十年にわたって文芸書を作り続けた。

 本書は、その編集者時代を振り返った回想記。聞き書きの形式で戦後から、昭和の後期までまだ少部数の文芸書が、しっかりと作られていた出版の良き時代が語られてゆく。

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