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大竹文雄・評 『成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学』=ロバート・H・フランク著

 (日本経済新聞出版社・1728円)

 「わたしがいまこうしてここにいるのは、運がよかったからということですか?」「そうです。それはわたしも同じです」「それはひどい! 身ひとつでアメリカに来ることのリスクをわかっていますか?(中略)ここまで来るのにどれだけのリスクを負ったかわかりますか?」

 これは、経済学者である著者のロバート・フランク氏が新聞コラムに「ささいな偶然のようなできごとが人生を大きく左右することは、想像以上に多い」と書いたことがきっかけで、テレビ出演したときの司会者とのやりとりだ。著者は、6分以上にわたって、司会者から責めたてられた。彼が反論を思いついたのは、帰りのタクシーの中だった。一番の反論は、「リスクを負って成功したのであれば、運がよかったということにほかならない」というものだ。リスクとは努力をしても確実には成功しないという運が存在するという意味だ。成功したのであれば、運がよかったという意味になる。司会者は、自分は運がよかったと言っていることと同じなのだ。

 本書は、自己啓発書ではない。経済学的に運と努力の関係を議論して、税制のあり方を提言する本だ。著者は運の重要性を示すために、つぎのようなシミュレーションをしている。成果のうち98%が努力と才能で、運の要素が2%だったとする。この場合、最も成果が高かったのは、最も才能に恵まれて努力をした人がほとんどだと思うだろう。しかし、シミュレーションによれば、勝者のうち78・1%は、才能と努力が最大の人ではなか…

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