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ヘイトスピーチ対策法

1年 デモ一掃、街に平穏 川崎

 ヘイトスピーチ対策法が施行されて3日で1年を迎えた。在日コリアン排斥を訴えるヘイトスピーチが繰り返された川崎市の関係者は、対策法の抑止効果を評価するが、一方でかいくぐる手法も出現しており、より効果的な対策が急務となっている。【太田圭介】

 川崎市は昨年5月、ヘイトスピーチを繰り返した団体の市立公園の利用を不許可とした。市人権施策推進協議会の阿部浩己会長=神奈川大法科大学院教授=は、福田紀彦市長が公園利用を不許可とした背景を「対策法が与えた影響は大きい」と話す。団体は翌6月5日、中原区に場所を移して開始しようとしたが、直後に県警の説得などで中止した。

 在日コリアンが多く住む市内の桜本地区でのヘイトデモを禁じる横浜地裁川崎支部の仮処分決定(同6月)も、対策法を根拠とした。桜本地区は仮処分後、平穏を取り戻した。在日コリアン3世の崔江以子(チェカンイジャ)さん(43)は、「『ヘイトデモが来るのでは』との不安がなくなり、安心して暮らせるようになった」と笑う。崔さんの長男(14)も友人から「(デモがなくなり)よかったね」と声をかけられるという。

 他方で対策法を意識した動きも出てきた。過去にヘイトスピーチを主催した男性が今年3月に市内で開いた講演では、差別と断定される言葉は口にせず、聴衆からの質問も受けなかった。阿部会長は「実際に発せられた言葉だけでなく、背景なども総合的に勘案し、差別的言動と判断するのが重要」と指摘する。

 市は今秋、ヘイトスピーチをする恐れがある個人・団体による公的施設の利用を事前規制するガイドラインを制定する。崔さんは市の姿勢を評価しつつ、「差別そのものを根絶する条例や法律が必要」と強調する。福田市長は、憲法が保障する表現の自由も視野に「時間をかけて、納得できる条例にすべきだ」と述べるなど、条例制定には慎重に対処する姿勢を示している。

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