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社説

アベノミクスの新成長戦略 5度目は期待できるのか

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 政府は新しい成長戦略の素案をまとめた。先端技術を活用した生産性向上が柱だ。日本経済の成長を阻む人手不足を緩和する狙いという。

 第2次安倍政権が発足してから5度目の策定だ。アベノミクスの看板と位置づけてきたが、過去の戦略は目立った成果を上げていない。スローガンを並べるだけでは困る。

 今年は、人手不足が著しい物流分野などに政策資源を集中投入する方針を示した。自動運転トラックや小型無人機(ドローン)が対象だ。

 医療・介護の効率化に向け、人工知能(AI)を用いた診療や介護ロボットの導入促進も盛り込んだ。

 これらは「第4次産業革命」と呼ばれ、米国やドイツが先行している。日本も力を入れる必要がある。

 ただ、昨年も第4次産業革命の推進を掲げた。成長戦略のメニューがほぼ出尽くしたことの裏返しと言える。問われているのは実績だ。

 人口減に伴う人手不足は深刻さを増している。有効求人倍率はバブル経済期を超す高水準に達した。

 解決には、技術革新に加え、女性や高齢者、外国人の活用など多様な政策が不可欠だ。安倍政権はどこまで本腰を入れてきたのだろうか。

 女性の就労拡大は最初の成長戦略で明記された。だが「待機児童ゼロ」目標を先送りしたように子育て支援は不十分だ。就労を妨げるとされる配偶者控除の廃止も見送った。

 生産性向上には、企業の新陳代謝を促す規制緩和も欠かせない。

 成長戦略は、各国の起業のしやすさなどを評価する世界銀行のランキングを重視し、「先進国で3位以内」という目標を掲げてきた。

 だが、昨年も26位と低迷した。規制緩和がなかなか進まず、煩雑な行政手続きが壁になっている。

 アベノミクスのうち、金融緩和と財政出動は景気刺激効果が一時的だ。民間主導の持続的成長を実現するには成長戦略の実行が重要だ。

 日本経済の実力を示す潜在成長率は0%台にとどまっている。手っ取り早い金融緩和や財政出動に頼り、成長戦略にしっかり取り組んでこなかった結果ではないか。

 日経平均株価が2万円を回復したが、主因は米国経済への期待だ。政府は株高に安住せず、積み残した課題にきちんと向き合うべきだ。

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