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詩歌の森へ

玉城徹の全歌集=酒井佐忠

 毎日歌壇選者を長く務め、文学や美学、思想や民衆詩のあり方、さらに芭蕉や西行の精神まで、幅広い思考で現代短歌の理想を求めた歌人、玉城徹。独自の個性を貫いた彼の歌業をまとめた『玉城徹全歌集』(いりの舎)が刊行された。第一歌集『馬の首』や『樛木(きゅうぼく)』(読売文学賞)、『われら地上に』(迢空賞)、後期を代表する『香貫(かぬき)』(現代短歌大賞)などの歌集と長歌集、さらに青春期に書かれた詩集までを収録した貴重な一巻である。

 北原白秋の作品に出会い短歌を始め、東大で美学を学んだ。都立高校の教師をしながら、芸術性の高い短歌に挑戦した。兵役の経験もあったが、社会性の強い戦後短歌や前衛短歌とは一線を画していたことが、際立った特長だ。創刊した歌誌「うた」や、初期歌集の長文の後記でも、「気分や観念といった自我を対象化するのではなく、現実を解明し発言する、世界を対象とした形而上的な短歌」を理想とした考えを述べている。作者と作品の…

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