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最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

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諫早湾干拓20年 開門巡る混迷=中尾祐児(長崎支局諫早駐在)

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鋼板が一斉に海中に落とされ、水しぶきとともに閉め切られる国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防=1997年4月
鋼板が一斉に海中に落とされ、水しぶきとともに閉め切られる国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防=1997年4月

国は柔軟な解決策を

 国営諫早(いさはや)湾干拓事業(諫干、長崎県)の堤防閉め切りから今年4月で20年となったが、開門を巡る訴訟が混迷を深めている。開門派の漁業者、反対派の干拓地営農者と国の司法闘争がなぜここまでこじれたのか。当時長崎支局で閉め切りを目の当たりにし、今も現地で取材を続ける私は、事業を推し進め対立を招きながら、完成後も運用の見直しに後ろ向きな国の姿勢に問題があると考える。より柔軟な解決策を探るべきだろう。

 1997年4月14日午前11時半。「ドドドッ」。鋼板293枚がわずか45秒間でごう音とともに海に落とされた。後に自然環境や干潟生物への「ギロチン」と非難を浴びる工事の迫力に息をのんだ。

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