【ニューデリー金子淳】インド宇宙研究機構(ISRO)は5日、将来の有人宇宙飛行での使用を想定したロケット「GSLVマーク3」(全長43.43メートル、重さ640トン)の打ち上げに成功した。インドメディアが伝えた。ISROによると、最大10トンを搭載でき、インドの宇宙産業の拡大にも期待が高まっている。
ロケットは重さ約3.1トンの通信衛星を搭載し、南部スリハリコタの宇宙センターから打ち上げられた。ロイター通信によると、3トンを超える衛星の打ち上げ能力を持つのは、ほかに日本と米露中、欧州だけだという。モディ首相はツイッターで「国の誇りだ」と祝福した。
インドは低価格で人工衛星を打ち上げる宇宙ビジネスを追求しており、独自に宇宙開発を続けてきた。2014年には米国の約10分の1のコストで、アジア初となる火星探査機の火星周回軌道への投入に成功。16年には国産の小型スペースシャトル試験機の打ち上げにも成功しており、将来は有人宇宙飛行も目指している。また今年12月には日本の民間月面探査チーム「HAKUTO」の探査車「SORATO」がインドのロケットで打ち上げられる予定だ。