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交差点で供養訴え…事件知る僧侶が献花台

秋葉原無差別殺傷事件について語る僧侶の田辺泰慧さん=東京都千代田区で、藤井達也撮影

 東京・秋葉原の歩行者天国で17人が死傷した無差別殺傷事件は、8日で発生から9年を迎える。現場近くに住む法華宗本門流の僧侶、田辺泰慧(たいけい)さん(69)は毎年、事件発生日が近づくと現場となった交差点に献花台を設置し、人々が犠牲者を悼む場を作ってきた。「供養の場があることで事件の風化を防げれば」と願っている。

     2008年6月8日午後、田辺さんは法要を終えて車で帰宅中にカーナビのテレビで事件を知り、現場に向かった。路面に生々しく残る大量の血だまり、慌ただしく活動する救急隊、ショックを受け泣き続ける少女たち。「大変なことになった」と、自宅に戻って支度を整え、現場で経を読んだ。

     田辺さんはその日から1週間、千代田区が設置した献花台の傍らに立ち、読経を続けた。多くの人が現場を訪れるなか、仕事の合間にそっと花束を手向けたメイド服の姿をした少女や、「お焼香ってどうすればいいんですか」と尋ねる若い女性もいた。「誰もが心の底から湧く追悼の気持ちを表そうとしていた。若者たちに供養の本当の意味を教えられた気がした」と振り返る。

     事件から数年後、現場の路上に花束が無造作に置かれているのを見かけた。「忍びない」と自分で献花台を設置することにした。

     毎年多くの花束やジュースが供えられる。犠牲者の一人に宛てたのか「私は元気で頑張っているよ」と書かれた手紙が置かれていたこともあった。ここ数年は、箱に入った小さな千羽鶴が手向けられている。そんな犠牲者への変わらぬ思いに触れるたび、凄惨(せいさん)な事件が二度と起きないように願うという。

     今年も3日夜に献花台を置いた田辺さんは、命日の8日に読経するつもりだ。「元気なうちは続けたい。手向けられた花を見れば多くの人が事件を思い出してくれるでしょうから」【春増翔太】


    秋葉原無差別殺傷事件

     2008年6月8日午後0時半ごろ、東京都千代田区外神田の歩行者天国に、加藤智大死刑囚(34)がトラックで突っ込んで歩行者を次々とはねた後、ダガーナイフで無差別に切りつけた。男女7人が死亡し、10人が重軽傷を負った。加藤死刑囚は殺人罪などで1、2審で死刑判決を受け、15年2月に上告が棄却されて刑が確定した。

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