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よく飛ぶ!公認球67年ぶり「大改革」

時代の変化に合わせて大幅に刷新された7代目のボールを持つ宗像専務理事=全日本軟式野球連盟で、長田舞子撮影

 軟式野球のボールが来年から13年ぶりに変わる。これまで3種類あった日本国内の公認球を2種類に統合。現在よりもバウンドを抑え、飛距離が出るように改良した。表面を覆うハート形の模様も特徴だ。全日本軟式野球連盟は「歴史を塗り替える革新的な魔法のボール」と胸を張る。その秘密とは--。【長田舞子】

 軟式野球の公認球が誕生したのは1938年にさかのぼる。菊の花びらのようなデザインが表面に施されたことから「菊型」と呼ばれた。51年には縫い目を入れ、現在とほぼ同じ形になった。その後も模様は変更され、現在は2005年の意匠で6代目になる。今回は大きさ、重さ、模様とも変更するので、連盟は51年以来67年ぶりの大改革と位置付ける。

 その概要は、従来の一般向け「A号」と、中学生向け「B号」を統一し、新たに「M(メジャー)号」とする。直径は72ミリ(プラスマイナス0.5ミリ)、重さは138グラム(同1.8グラム)。中学生にとっては2ミリ大きく、3グラム重くなる。小学生向けの「C号」は「J(ジュニア)号」になり、直径は1ミリ大きい69ミリ(同0.5ミリ)、重さは1グラム重い129グラム(同1.8グラム)。連盟の宗像豊巳・専務理事は「たとえ1ミリ、1グラムの差でも選手にとっては大きな違いになる」と話す。

軟式野球ボールの現在と新しい規格の比較

 それでもボールの規格を変える背景には体格の変化がある。文部科学省によると、16年度の小学生5年男子の平均身長は、戦後間もない51年度と比べると11.1センチ伸び、平均体重は7.3キロ増えた。中学生2年男子では身長は17.7センチ伸び、体重は13.2キロも増えた。この「成長」を受け、連盟は12年3月から本格的に検討を開始し、法政大理工学部の協力を得て実証実験を重ね、今の子どもの体格に最適なボールを模索してきた。

 次世代ボールには、選手が軟式野球からスムーズに硬式野球に移行できるような工夫も施した。軟式ボールの内部は空洞で、ゴム製なので、コルクの芯を毛糸や木綿糸で巻いた硬式ボールに比べて2倍近く弾む。「軟式ボールは弾みすぎる」という声が根強いことに配慮し、生ゴムと化学薬品の配合を変えて強度を高め、ボールを硬くして弾みを抑えた。

 ひときわ目を引くのが表面のハート模様だ。模様部分の面積が広くなったことで空気抵抗が減り、飛距離が出るようになった。模様はハート形が最も適していたという。縫い目の数は四つ増やし、その一つ一つに細かい切れ目を入れた。従来のボールよりも縫い目に指を引っかけやすくなり、投手は変化球が投げやすく、コントロールもしやすくなった。

 連盟は、一連の工夫が技術の向上につながり、硬式野球に進んだ選手が即戦力になる可能性が増すと期待している。実際に実証実験で新ボールを使った選手からは「打った時の感触がいい」「投げやすい」などの声が上がり、好評だという。M号は18年度の大会から使用される予定、J号も製造体制が整い次第、導入される。

 宗像氏は「ボールの値段も600円ほどで硬式ボールの約半分。経済的かつ安全で楽しくできるのが軟式野球の魅力。新しいボールを野球人口の拡大につなげたい」と期待を込める。

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