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「成立ありき」の「共謀罪」法案=遠藤拓(東京社会部)

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衆院法務委員会で「共謀罪」法案の採決に抗議し委員長席(左奥)に詰め寄る野党の議員ら。右端は金田勝年法相=国会内で5月19日、西本勝撮影
衆院法務委員会で「共謀罪」法案の採決に抗議し委員長席(左奥)に詰め寄る野党の議員ら。右端は金田勝年法相=国会内で5月19日、西本勝撮影

審議、一からやり直せ

 いわゆる「共謀罪」法案の国会審議を見ていると、やりきれない気持ちになる。政府・与党が今国会での成立を急ぐあまり、「内心の自由や思想の自由を侵害する」「監視社会を招く」「テロ対策として不十分だ」といった不安や懸念の払拭(ふっしょく)に努めていないと思えるからだ。審議の舞台は参院に移ったが、このまま説明を尽くすことなく法制化するのは、数の力に頼った暴挙だと言わざるを得ない。

 法案は、正しくは組織犯罪処罰法改正案という。組織犯罪を計画段階で処罰可能とする「共謀罪」の成立要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する。適用対象は「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」で、「実行準備行為」を要件とした。政府・与党は2000年代に3回廃案になった法案とは別物だと強調し、「国際組織犯罪防止条約」の締結には不可欠で、東京五輪・パラリンピックに向けたテロ対策にもなると説明する。

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