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社説

築地市場の移転問題 行き詰まりを脱する時だ

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 東京・築地市場の豊洲市場への移転問題が、混迷を増している。

 豊洲に移転するにしても、築地を再整備するにしても、かなりの難題があることが分かってきたためだ。

 どちらがよりマイナスが少ないのか。小池百合子知事は、行き詰まった状況を打開する責務がある。

 都の「市場問題プロジェクトチーム」は、築地での再整備と豊洲への移転の両論を併記した報告書をまとめた。立地やブランド力を評価し、築地再整備を後押しする内容だ。

 だが、都の調査で築地市場の土壌から基準値を超える水銀や六価クロムが検出された。築地を再整備するなら巨額の汚染対策が必要になる。

 さらに、6000億円もの費用をかけた豊洲の施設をどう処分するのか、現実的なプランも求められる。

 一方、豊洲移転も問題を抱えたままだ。土壌汚染対策を検証する専門家会議は「法的にも科学的にも安全」と説明するが、消費者の理解を得られるとは限らない。

 基準値を大幅に超える有害物質を含んだ地下水対策には、最大95億円が必要とされる。

 また、豊洲への移転に関して、土地取得や地下空間に盛り土がなかった問題など、都の無責任な体質問題にけりがついていない。

 どちらを選んでも批判は免れず、判断が難しい状況は理解できる。

 だが、築地市場では、移転の是非を巡り、業者間の対立が深刻化し、不安も募っている。判断を先送りしていると、税金を使った業者への補償費用もかさむばかりだ。

 東京都議選の告示が今月23日に迫っている。自民党や公明党は豊洲市場移転に賛成だ。共産党は移転に反対し、築地再整備を主張している。

 小池氏が代表の地域政党「都民ファーストの会」は、「知事の立場を尊重する」と記すにとどめている。

 市場移転問題は、確かに争点のひとつではあるが、全てではない。

 今後都は、超高齢化が進む。2025年には75歳以上の後期高齢者が200万人に達し、介護や医療需要の急増も予想される。待機児童の解消も待ったなしだ。

 都の課題解決の議論をするためにも、小池氏は移転問題に関して、何を重視するのかなど、判断の指標や方向性を示すべきだ。

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