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山手線全車両にカメラ 20年までに設置

JR山手線車両E235系の内装。防犯カメラは1車両に4カ所導入される=東京都品川区の東京総合車両センターで2015年3月28日、宮間俊樹撮影

 JR東日本は6日、山手線の全車両に防犯カメラを導入すると発表した。常時録画し、車内の迷惑行為や痴漢などの犯罪、テロを防止するのが狙い。2018年春に設置を始め、東京五輪が開催される20年までに設置を完了させる予定だ。同社の冨田哲郎社長は「映像は厳正に取り扱い、乗客のプライバシー保護には万全を期す」と話している。

 同社は新幹線や痴漢被害が多かった埼京線の一部車両などで、すでに防犯カメラを設置している。在来線の全車両に設置するのは山手線が初めてで、利用者の多さや五輪開催地を走る路線としての重要性を考慮した。冨田社長は「痴漢行為などの防止に車内カメラは一定の効果があるだろう」と語り、山手線以外への導入も進めていく考えを示した。

 同社は現在、車両を新型のE235系に入れ替えており、20年までに投入される全550両にカメラを設置する。各車両に4台ずつ、ドア上部にある液晶パネルの横に設置し、車内全体を録画できるようにする。担当者は「死角が出ないように検討を重ねたい」としている。

 車内にはカメラが作動中であることを示すステッカーを掲示。映像は1週間ほど保存した後に消去し、閲覧できる社員も限定することで、プライバシーに配慮するという。

 全車両への防犯カメラの設置は、東京都営地下鉄や東京メトロも計画を発表している。【安高晋】

常時録画に懸念も

 防犯カメラによる電車内の常時録画には、犯罪抑止につながるとの期待と、懸念の声が入り交じる。

 15年6月に東海道新幹線車内で起きた焼身自殺事件を機に、新幹線内ではカメラ設置が進んだ。だが、在来線では迷惑行為などが後を絶たず、警視庁が昨年1年間に検挙した痴漢や盗撮など電車内での迷惑防止条例違反(卑わい行為)は、約960件。JR東によると、痴漢を疑われた客が線路に降りて逃走する事件は、3月以降だけで約10件起きているという。

 在来線車内での導入について、警視庁幹部は「防犯カメラは犯罪の抑止にもなり、客観的な証拠の確保にもつながる」と歓迎する。

 一方、全国痴漢冤罪(えんざい)弁護団事務局長の生駒巌弁護士は痴漢の抑止効果は認めつつ、「恐らく満員電車の中では肩から上しか撮影できず、痴漢の証拠として扱えるか疑問が残る。事件と無関係な不特定多数の人の顔も記録されてしまう」とプライバシー侵害を懸念する。【奥山はるな、春増翔太】

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