連載

昭和史のかたち

昭和史研究で知られるノンフィクション作家の保阪正康さんの長期連載。「昭和」という時代をさまざまな角度からひもときます。毎月1回更新。

連載一覧

昭和史のかたち

陸上競技と外交=保阪正康

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

明治の最速スプリンター

 桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥といったスプリンターが、100メートル走の公認記録をいつ9秒台にもっていくか。各種の陸上競技大会では、この種の話題で持ちきりだ。素人考えでは、100メートルを10秒で走るというのは、10メートルを1秒で走るわけだから、まさに飛ぶといってもいいことではないかと思う。

 もう30年ほど前になるが、こんなことを思いつつ、100メートル走の歴代日本記録を持つ人たちを調べたことがある。日本陸上競技連盟(日本陸連)の公認記録は明治44(1911)年から始まっていて、その第1号は三島弥彦(東京帝大)の12秒6、それから私が関心を持った当時、昭和60(85)年ごろには、東京農大二高の不破弘樹の10秒34までタイムは縮まっている(飯島秀雄も1968年のメキシコ五輪で同じ記録を…

この記事は有料記事です。

残り1711文字(全文2068文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集