日本パラ陸上競技選手権が10日、東京・駒沢陸上競技場で開幕し、7月の世界選手権(ロンドン)に向けた調整も兼ねて国内トップ選手が顔をそろえた。男子走り幅跳び(切断などT42)は昨年のリオデジャネイロ・パラリンピック銀の山本篤(スズキ浜松AC)が6メートル38をマークし、優勝。女子マラソン(視覚障害)で銀だった道下美里(三井住友海上)は5000メートル(視覚障害T12)に出場し、19分42秒14で制した。また、女子400メートル(切断などT47)で銅だった辻沙絵(日体大大学院)は200メートルに唯一出場し、大会新の27秒74を残した。
○…マラソンでのスピード強化のため今年からトラック種目にも取り組む道下は、30度の気温に耐えながら安定したレースを見せた。もともと中距離出身だが、ストライド大きく駆け抜けた当時とは「全然違う」。あくまで「マラソンのためのトラック」と、ピッチ走法を貫き、他の選手を大きく引き離した。
終盤でも相手と競り合えるような粘り強さを養い、スプリント力を持続させるためにトラック種目強化に着手した。すべては、東京パラリンピックで頂点をつかむため。「コツはつかんできた。レースに近い練習を取り入れたい」と、持ち前の笑みをたたえながら語った。