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公文書・加計学園問題

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「加計」文書で文科省が再調査 なぜ内閣府は調べない

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 追い込まれた末に、強気一辺倒の姿勢を変えざるを得なくなったということだろう。

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐる問題で、大きな焦点となってきた文部科学省の内部文書について、同省がようやく再調査に乗り出した。

 ただし国会会期末(18日)が迫る中での再調査だ。松野博一文科相は調査の方法や公表時期も明言していないが、そもそも時間のかかる性質のものではない。早急に結果を公表する一方、国会は延長して十分な時間を取って解明を進めるべきだ。

 内閣府側が「総理のご意向」などと語り、獣医学部の早期開学を文科省に迫ったと記された文書に対し、当初、菅義偉官房長官は「怪文書」と呼び、文科省も先月の調査で「確認できなかった」と結論づけた。

 しかも前川喜平・前文科事務次官が「文書は本物」と証言した後も、松野文科相は「出所不明」であり、「政策決定過程に関してのものは公表しない」とまで説明していた。

 姿勢が一転したのは、現職の文科省職員も報道機関に対し文書の存在を証言し始める中、このままでは近づく東京都議選で与党に悪影響を及ぼすとの思いもあるようだ。

 だが、決定過程を示す文書を再調査すること自体、松野氏らの説明がご都合主義だったと認めているのに等しい。

 調査後の対応も危ぶまれる。

 萩生田光一官房副長官は「文書が実在したとしても、正しいかどうかは次の話だ」と早くも語っている。内閣府側は「文書のような話はしていない」と否定し続けるのかもしれない。だとすれば文科省は文書を捏造(ねつぞう)したというのだろうか。

 ことは安倍晋三首相の友人が理事長を務めているから、計画は同学園に有利に進み、行政がゆがめられたのではないかという問題だ。

 再調査は首相の指示だったと政府は強調している。政権全体の問題だと認識しているのなら、なぜ内閣府も関連の文書が残っていないかどうかを調査しないのか。関係者の再聴取をしないのか。理解に苦しむ。

 文科省の文書の存在を認めても、やっと解明のスタート台につくに過ぎない。文科省だけに責任を押しつけても、解明は進まない。

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