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南部町の我が家のそばには何枚かの田んぼがあります。毎年田植えが始まると、4種類ほどのカエルが「嫁さん募集中!」と大合唱を奏で、夜のにぎやかなBGMとなっています。ニホンアマガエル、ヌマガエル、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエルとそれぞれに違う鳴き声のオスたちは、必死に婚活に励みます。
田んぼに産み落とされた卵はオタマジャクシになり、温かい水の中で育ち、やがて仔(こ)ガエルになり上陸します。しかしトノサマガエルは他の種類より少し産卵が遅く、オタマジャクシのサイズも大きく、成長にやや時間がかかります。そのためカエルになる前に田んぼの水がなくなり、干上がった土の上でたくさんのオタマジャクシが命を落としています。
逃げ場所を失ったオタマジャクシのために、自宅の庭に小さな池を作りました。目の前の田んぼから干からびかけた赤ちゃんを引っ越しさせるためです。名付けて「オタマジャクシ救出大作戦」。野生生物を安易に移動させることは、よほどの背景がない限り慎むべきことです。しかし近年、さまざまな要因で日本産のカエルが減少しています。しかもトノサマガエルは環境省の「レッドデータブック」で準絶滅危惧(NT)に指定された種類…
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