メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

野党の「牛歩」封じ 議長、投票打ち切り

参院本会議の組織犯罪処罰法改正案の採決で投票の足を止める野党議員(右)=国会内で2017年6月15日午前7時20分、小出洋平撮影

与野党席から怒号

 「共謀罪」の成立要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法を巡り、14日から15日朝まで断続的に開かれた参院本会議。与野党の議席からヤジが飛び交う荒れた雰囲気の中で進んだ。採決時には投票箱まで時間をかけてゆっくり進む「牛歩戦術」を取った野党議員3人の投票が「時間切れ」で認められないなど、波乱の中での成立となった。

     与党が参院法務委員会での採決を省略する異例の「中間報告」を行って本会議での採決を強行したことに野党は一斉に反発。社民党の又市征治幹事長は本会議後「中間報告なんて形で強行採決するのは参院の自殺行為だ」と憤りをあらわにした。

     15日午前7時過ぎから記名投票で行われた本会議での採決では、同党と自由党の議員らが牛歩戦術に出た。だが、他の議員の投票が終わっても又市氏らが壇上の前からなかなか進まないことにしびれを切らした伊達忠一議長が「制限時間2分」と宣言。議員らが「採決を絶対許さない!」「恥を知れ!」などと壇上で叫びながら投票をしている間に時間は過ぎ、伊達氏は投票を打ち切った。

     又市氏と、福島瑞穂社民党副党首、自由党の森裕子氏は、慌てて自ら投票箱に反対の「青票」を入れたが認められず。「委員会からやり直せ」など怒号が飛び交い、又市氏は繰り返し議長の机をたたきながら「こんなバカな中間報告をやって、議長として恥ずかしくないのか」と詰め寄った。

     福島氏は本会議後、記者団に「共謀罪の中身も問題だが、やり方も凶暴だ。最後の最後に乱暴に投票権を切り捨てるなんておかしい」と語気を強めた。

     民進党の蓮舫代表は「強行な採決の仕方が安倍内閣にとって当たり前になってきた」と指摘。学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の問題に触れ「もうこれ以上国会を開きたくない、加計問題に一切触れてもらいたくないという、まさに首相ありきの、そんたくありきの国会運営だ」と断じた。

     一方、自民党の松山政司参院国対委員長は「極めて丁寧に審議を進めてきた。国民にとって不可欠の法案を会期内に成立させるため、この選択は適当だった」と審議の正当性を強調した。【影山哲也、小田中大】

    「共謀罪」法 攻防ドキュメント

     「共謀罪」の成立要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法を巡り、参院本会議は15日朝まで断続的に開かれた。与野党の議席からはヤジが飛び交い、荒れた雰囲気のなかで同法は成立。参院法務委員会での採決を省略し本会議で直接採決する「中間報告」という奇策に対し、野党は猛反発した。

     「共謀罪」法案を巡る15日の動きは次の通り。

     1時57分 衆院本会議で内閣不信任決議案否決

     2・31 参院本会議開会

     3・30 秋野公造法務委員長による中間報告

     4・33 参院本会議で法案をただちに審議する動議を可決。本会議休憩

     5・41 参院本会議が再開

     5・58 法案を巡る補充質疑

     7・46 自民、公明両党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立。直後に、金田勝年法相は記者団に「わが国の安全安心のために必要な法律だ」「恣意(しい)的な捜査は絶対にあってはいけない」と強調

     7・47 反対派市民が国会前で「採決無効」と抗議

     7・50 民進党の蓮舫代表が、記者団に「究極の強行採決だ。怒りを込めて抗議したい」

     8・00 「牛歩」で制限時間を超え投票無効となった社民党の福島瑞穂副党首は記者団に「希代の悪法に抵抗する意思表示をした」

     10・01 安倍晋三首相が記者団に「一日も早く国際組織犯罪防止条約を締結し、テロを未然に防ぐため国際社会としっかり連携していきたい」

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 福岡母子3人殺害 「夫婦仲良くなかった」容疑者が供述
    2. 犯罪被害者支援フォーラム 長女を3歳で失った清水さん「苦しくとも前に進む」 佐賀 /佐賀
    3. ORICON NEWS 香取慎吾、シェフ姿で料理の腕前披露 『おじゃMAP!』SPで結婚式プロデュース
    4. ことば 大崎事件
    5. ライフスタイル うっかりシェアしたら恥ずかしい! Facebookが教える「フェイクニュースにだまされない10のコツ」(GetNavi web)

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]