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「病は気から」研究資金、CFで募る

実験計画について説明する中嶋正太郎助教=山梨県中央市下河東で、2017年6月14日午後1時34分、松本光樹撮影

 山梨大医学部免疫学講座(中尾篤人教授)の中嶋正太郎助教(32)が、インターネットを通じて支援を呼び掛けるクラウドファンディング(CF)を利用して研究資金を募っている。同大では初の試み。目標額に達せば、心の状態がアレルギー疾患に影響するかを確かめる研究に役立てるという。【松本光樹】

 研究テーマは「『病は気から』は本当か」。中嶋助教によると、花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は精神的なストレスで症状が悪くなるとされている。一方、薬の臨床試験では「薬が効く」という前向きな感情から、本当は薬ではないものを飲んでも症状が良くなる「プラセボ効果」も知られている。

 ただ、それらの科学的な根拠やメカニズムはほとんど明らかになっていない。中嶋助教は「ポジティブな生活を心がければ、症状が緩和につなげられるのではないか」と考え、今回の研究をテーマに据えた。

 実験ではマウスを使う予定。興奮や感動、心地よさに反応して活性化する、脳内の「報酬系」と呼ばれる神経系の活動を薬剤を使って促す。そのマウスの鼻に花粉症を引き起こす物質を付着させることで、症状として出るくしゃみや鼻かき行動の回数が緩和されるかを確かめるという。8月から実験を始め、2019年2月から論文を執筆する予定だ。

 自身もひどい花粉症に悩まされているという中嶋助教は「仮説が実証されれば、患者自身が生活習慣を正したり、前向きな暮らしを心掛けたりして症状を和らげられる」と指摘。投薬量の減少や医療費の削減につながる可能性もある。

 今回、中嶋助教は「蛍光顕微鏡」の購入資金として65万円の支援を呼び掛ける。脳の断面を見ることができ、報酬系が活動しているか確かめるために必要という。

 支援は1000円~10万円の7コースを用意。支援額に応じた返礼があり、研究成果の報告や研究室オリジナルTシャツ、研究室見学ツアーへの参加権などを用意している。5万円の支援をすると、論文の謝辞の欄に名前が掲載される。中嶋助教は「資金を集めたいのはもちろんだが、それ以上に研究を身近に感じてもらうのが狙い。多くの人に関心を持ってもらいたい」と話す。

 資金提供の締め切りは、8月5日午後7時。支援方法や返礼の詳細、研究の解説は、CF「アカデミスト」のホームページ(https://academist-cf.com/projects/?id=49)まで。

 【ことば】クラウドファンディング(CF)

 クラウド(群衆)とファンド(資金)を組み合わせた造語で、インターネットを利用した資金の調達方法。専門のCF運営会社などが開設するサイトで資金の使い道や意義を紹介し、賛同者から資金を募る。今回、中嶋正太郎助教は、過去に計約5000万円の調達実績がある学術研究専用のCF「アカデミスト」を利用している。

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