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文科省職員「驚きない」

閣議後、記者の質問に答える山本幸三地方創生担当相=首相官邸で2016年6月16日午前9時44分、藤井達也撮影

調査1日、反応冷ややか

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画で、文部科学省に早期開学を働きかけたとされる内閣府は16日、「総理のご意向」と伝えた事実はなかったと発表した。国会の会期末が迫る中、わずか1日での調査結果。識者からは「結論ありき」と批判の声が上がった。【中島和哉、伊澤拓也、神足俊輔】

 「『総理のご意向』という言い方はかなり特殊なもので、あまり(国家戦略特区を担う)地方創生本部事務局で使われているようには感じておらず、実際にこのような表現が打ち合わせの場で使われたとは考えにくい」。内閣府の調査報告書は、文科省の再調査結果を真っ向から否定した。

 昨年11月に獣医学部新設の要件として「広域的」などの文言が追加された経緯を巡っても、食い違いがある。文科省の再調査では、萩生田光一官房副長官の指示があったとするメールの記載が明らかになったが、内閣府の調査では、文言の追加を指示したのは特区を担当する山本幸三地方創生担当相だったと結論付けている。

 その山本氏は午前9時40分ごろ、閣議を終えて首相官邸エントランスで記者団を前に、早口で資料を読み上げ、調査結果を説明した。「一切、副長官の方から、何ら『これしろ、ああしろ』ということはない」。首相側近の関与を否定し、7分ほどで打ち切って足早に官邸を後にした。

 一方、文科省の再調査のヒアリングでは、多くの文書を作成した専門教育課の課長補佐は「記載されている以上、こうした趣旨の発言があったのだと思う。総理までのレベルに話が行っていると感じた」と話したとされる。

 文科省内の受け止めは冷ややかだ。ある職員は「今回の件で内閣府は『知らぬ存ぜぬ』を貫いているし、官邸とすり合わせて発表しているのだろうから驚きはない。結局、真相はうやむやのまま収束し、文科省だけが信頼を失うのだろう」と自嘲気味。

 内閣府の調査結果について、政治アナリストの伊藤惇夫さんは「予想通りの結論だ。『行政をねじ曲げる行為があった』とは絶対に認めないと思っていた。官邸がこの問題を『文科省レベルの錯誤にすぎない』と止めようとしている姿勢が見える」と指摘する。

 「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美・大阪国際大准教授は「一言で言うと『ほんま感じ悪い』。加計学園の問題は周りのおばちゃんたちの間でも『どうせウソばっかりやん』という声が高まっているが、内閣府の調査報告書からは『こう言っておけばいずれ収まるだろう』という政権側のおごりが透けて見える」と批判。「文科省の調査から1日後の発表という点も、やろうと思えばいつでもできたことを先送りして逃げようとしていたように感じる。世間に対してこうした態度を続けていれば、いずれボディーブローのように政権にダメージが効いてくるだろう」と断じた。

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