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被爆者に公の場で初めて謝罪

ABCC-放影研設立70周年の記念式典であいさつする放影研の丹羽太貫理事長=広島市東区で2017年6月19日午後2時34分、山田尚弘撮影

 原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)は19日、被爆者を招いて広島市で開いた設立70周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が被爆者を研究対象として扱ったことについて、「心苦しく残念に思っている」と謝罪した。放影研トップが公の場で直接謝罪するのは初めてとみられる。

     式典には被爆者や放影研職員ら約300人が出席。丹羽理事長は冒頭あいさつで「ABCC設立当初は『調査すれども治療せず』と多くの批判があった。重く受け止め、心苦しく残念に思っている」と謝罪。「そうした状況下でも、被爆者と被爆2世の皆様から継続的な協力をいただいてきた。深く感謝します」と述べた。

     丹羽理事長は、あいさつで「残念に思う」との表現をした意図を記者団に問われ、「被爆者に感謝するには、過去にとんでもないことがあったと我々がきちっと認識して言わざるを得ない。大変申し訳ないことをしたとの意味合いだ」と語った。

     母親が検査で2度連れて行かれたという広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)の佐久間邦彦理事長(72)は「放影研とABCCは一体なのにまるで人ごとの言い方だ。謝罪とは受け取れない」といい、「人権を無視したのは事実。誤ったことをしたと被爆者の前で明言すべきだった」と批判した。理事長が謝罪すると聞いて訪れた被爆者の岡田恵美子さん(80)=広島市東区=は「言葉だけの謝罪で、過去の事実の重さに向き合っていない」と残念がった。

     もう一つの県被団協の坪井直(すなお)理事長(92)は「被爆者は戦後、『助かりたい、生きたい、何とか助けてもらおう』との気持ちだった。だが、放影研(ABCC)も治療をどうしたらいいか分からなかった」といい、両者に認識の違いがあったと指摘した。【竹下理子、山田尚弘】

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