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漆黒を照らす

大阪を拠点に国際報道に携わるフリージャーナリスト集団「アジアプレス」所属の石丸次郎さんと玉本英子さんの連載企画です。

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/40 北朝鮮弾道ミサイル想定した訓練 「煽り」の先を見る /大阪

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移動途中に談笑する兵士。金正恩政権は初の核実験の後、国内で戦争勃発の危機を煽ったが、臨戦の雰囲気にならなかった=北朝鮮平安南道で2013年3月、アジアプレス提供
移動途中に談笑する兵士。金正恩政権は初の核実験の後、国内で戦争勃発の危機を煽ったが、臨戦の雰囲気にならなかった=北朝鮮平安南道で2013年3月、アジアプレス提供

 3月の秋田県男鹿市を皮切りに山口、福岡、山形、広島、新潟などで、内閣府の主導で弾道ミサイル攻撃に対備する住民避難訓練が続いている。「X国が弾道ミサイルを発射した」との想定で、サイレンが鳴らされ近隣の公民館や学校などの建物に避難する。草むらの中で頭を抱えてしゃがんだり、田んぼの畔の溝に身を隠したりする人の姿も報じられた。

 これらのニュースを見て、桐生悠々(きりゅうゆうゆう)が書いた「関東防空大演習を嗤(わら)う」を思い起こした人も少なくないだろう。信濃毎日新聞の主筆であった桐生は、1933(昭和8)年8月に書いた社説で、折から実施中であった敵の空襲に備えるという陸軍の大訓練をナンセンスだと看破した。敵機から空襲を受けると木造家屋の多い東京は焦土と化し、大パニックが起こるのは避けられない。それは戦争に負けるというこ…

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