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くらしナビ・気象・防災

天気の変わり目に「気象病」

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気象病を軽くするストレッチを実演する久手堅司院長=東京都世田谷区で、西田真季子撮影

 気圧の変化で体調不良を感じる「気象病」。雨の日が多い梅雨時は、天気の変わり目に増えそうだ。正式な病名ではないが、ひどい場合は布団から起き上がれない症状が出る人も。全国でも数少ない「気象病外来」を設ける、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の久手堅(くでけん)司(つかさ)院長に、症状や対処法を聞いた。

 ●気圧変化で不調に

 「気象病は自律神経の不調と密接に関係します」と久手堅院長は話す。気圧の変化は、耳の中にある「内耳」で感じていると言われており、自律神経と強い関係がある。

 自律神経は、脳内から全身へ信号を出し、体を調整する役目を果たしている。緊張したときに優位になる交感神経とリラックスしたときに優位になる副交感神経があり、交感神経は、血圧を上げたり、呼吸を速めたりし、副交感神経はその逆の働きをする。

 久手堅院長が作成した気象病のチェックリストが表だ。(1)と(2)がある人はほぼ気象病と認定できる。自律神経の不調と関係する、寒暖差のない環境やストレスのほか、前のめりの姿勢になりやすいスマートフォンの使い過ぎも影響する。

 ●めまいや吐き気

 症状は多岐にわたる。乗り物酔いに近いめまいや吐き気、頭痛を訴える人が多いが、肩こりや全身のだるさ、手足のしびれ、関節痛、うつ症状、目がかゆいなどのアレルギー症状を訴えるケースもある。

 脳や耳鼻科の検査では異常がなく、「気のせいでは」と言われた人や、精神科などいくつかの診療科をまわっても原因が分からなかったりする状態が何年も続き、ようやくクリニックを訪れた患者もいた。天気が悪いときに朝起きられず、遅刻や休みが続き、原因も分からないため、うつ状態になることもある。

 ●ストレッチお勧め

 気象病の治療、改善には、耳や肩の周りを動かすストレッチ▽投薬▽日常生活の見直し--がある。特に久手堅院長が勧めるのは体を動かすストレッチだ。気圧の変化の有無にかかわらず、隙間(すきま)時間にこまめに行うことで予防ができる。

 耳の周りを軟らかくするストレッチを久手堅院長に紹介してもらった。

 (1)耳たぶの少し上を水平方向に引っ張る。

 (2)5~10秒くらいしたら離すことを数回繰り返す。

 (3)耳たぶ後ろの骨のへこみ(顎(がく)関節)を斜め上に、30秒程度ぐっと押す。手を離したときに耳の周りが軽くなっていれば、うまくいっている。

 ほかにも、背筋を伸ばした状態で頭を前に押し出し、いったん戻した後にあごを水平に強く押すことで首や頭のつなぎ目の関節を軟らかくしたり、肩まわりを動かしたりすることも効果的。首や肩の関節が柔軟だと、気圧の変化で体が過剰に揺れを感じるのを防げる。

 クリニックでは、ストレッチで改善しない場合、乗り物酔い薬を処方する。「気圧が下がり始める前に飲むと、8割くらいの患者さんに効果を発揮します」(久手堅院長)。他にも、体の中の水分を調整し、むくみを取る漢方「五苓散(ごれいさん)」や、肩こりがひどい患者には筋肉を緩める薬を処方することもある。

 気象病と関係が深い自律神経を整えるためには、睡眠時間を十分に取ったり、ヨガなどで呼吸を整えたりすることも効果的。エアコンの利いた環境にこもらず、汗をかくことも予防に重要だ。【西田真季子】


気象病のチェックリスト

 (1)天候が変わる時に体調が悪い

 (2)雨が降る前や、天候が変わる前に何となく予測ができる

 (3)耳鳴りやめまいが起こりやすい

 (4)肩こり、首こりがある。首の外傷歴がある

 (5)猫背、姿勢が悪い

 (6)乗り物酔いをしやすい

 (7)パソコンやスマートフォンの使用時間が、1日平均4時間以上

 (8)ストレッチや柔軟体操をすることが少ない

 (9)歯の食いしばりや歯ぎしり、歯の治療が多い。顎関節症と言われたことがある

(10)夏冬共に、エアコンが利いている環境にいることが多い

(11)日常的に、ストレスを感じている。特に精神的なストレス

(12)男女ともに、更年期障害ではないかと思うことがある

 ※(1)か(2)があるとほぼ気象病、(3)~(12)は三つ以上あると予備軍(久手堅院長作成)

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