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社説

負債1兆円超でタカタ破綻 危機管理を考える機会に

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 欠陥エアバッグで世界的なリコール(回収・無償修理)問題を起こしたタカタが民事再生法の適用を申請した。最終的な負債総額は1兆円を超す見通しで、製造業で戦後最大の倒産となる。

 高い技術力と世界有数のシェアを持つ部品会社として知られてきたが、対応が後手に回り、経営破綻に追い込まれた。品質が評価され、海外で販売を伸ばしてきた日本メーカーがくむべき教訓は多い。

 エアバッグの異常破裂が米国で相次ぎ、議会などで問題視されたのは2014年だが、最初の不具合が確認されたのは、そこから10年ほど前だ。早期に対策を講じれば、ここまで深刻化しなかった可能性がある。

 だが、タカタが欠陥を認め、全米でのリコールに応じたのは15年5月、経営トップが初めて記者会見したのはその翌月になってからだ。

 その間にリコール対象は膨らみ、世界で約1億個に上った。米国では死者11人、日本でもけが人が出た。捜査した米司法省は「10年以上安全より利益を優先した」と批判した。

 海外生産が急速に増え、安全体制が追いつかなかったとの指摘もある。だが、タカタはシートベルトも主力製品だ。命にかかわる部品を専門に手がけてきたのに、消費者を軽視し、危機管理意識が極めて乏しかったと言わざるを得ない。

 タカタの経営トップは、大株主の創業家出身だ。外部のチェックが十分に働かなかったのではないかとの見方もある。だが、特殊なケースと片付けてはならないだろう。

 自動車メーカーの責任も重い。

 消費者が選ぶのは部品ではなく完成車だ。タカタ製品を多く搭載する日本の自動車メーカーも対策にしっかり取り組むべきだったが、タカタと責任を押し付け合った。

 日本の製造業が国際競争力の源泉としてきたのは優れたものづくりの力だ。代表格が自動車産業であり、タカタなどの部品会社が一翼を担ってきた。経済のグローバル化に伴い、多くの日本企業が技術力を武器にして海外に進出している。

 しかし、対応を誤れば、タカタのように重い代償を払う事態に陥りかねない。危機管理体制をどう確立するか。日本の製造業が考えるべき課題と言える。

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