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巨匠・村野藤吾設計

八幡市民会館、当面保存へ

当面の保存が決まった八幡市民会館=北九州市八幡東区で、比嘉洋撮影

 戦後日本を代表するモダニズム建築家、村野藤吾(1891~1984年)の設計で、老朽化により存廃が注目されていた八幡市民会館(北九州市八幡東区)について、市が建物を当面保存する方針を決めたことが、分かった。2014年3月末に市が閉館を決定して以来、建物の利活用を巡って建築界や市民団体を巻き込んだ議論が3年以上続いたが、事実上の「現状維持」で決着する見通しだ。

     1958年に完成した市民会館は、八幡製鉄所にちなんだ赤茶色のタイル張りのデザインが特徴で、村野の円熟期の作品として建築界を中心に高い評価を受けている。

     一方で、市は市民会館として継続使用するためには耐震化やバリアフリー化が必要とし、改修費に15億~20億円かかると試算。公共施設の大幅なリストラを進める行財政改革の方針を基に機能廃止を決定し、昨年3月に閉館した。

     これに対し、日本建築学会などは文化遺産としての保存を要望し、市も民間資本を活用して再生する方法を模索。地元財界の一部や有識者らで構成するまちづくり団体が今年4月、大型遊具などを設置し「子どもが遊べる施設」として利活用する案を市に提出した。

     この案に対し、市は「資金調達や事業の継続性に課題が残る」として採用を見送り、当面は外観を現状のまま残す方針を固めた。市は今後、内部は人が常時滞在しない倉庫などに活用する方向で検討する。【比嘉洋、井上卓也】

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