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パンダに見た理想郷

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パンダ解禁第1日の1972年11月5日、東京・上野の森にはパンダ舎(左上方)から国立西洋美術館付近まで約1キロの長い列ができた=本社ヘリから
パンダ解禁第1日の1972年11月5日、東京・上野の森にはパンダ舎(左上方)から国立西洋美術館付近まで約1キロの長い列ができた=本社ヘリから

 東京・上野動物園で5年ぶりにパンダの赤ちゃんが生まれた。明るい話題に違いないが、日本人はなぜかくもパンダに、しかも上野のパンダにご執心なのか? どうやらイメージとしての「パンダ」がいるらしくて。【鈴木琢磨】

 朝から真夏のような日差しである。東京都議選が告示された23日、上野動物園のゲートで張予思(ちょうよし)さん(30)と待ち合わせた。中国は南京市の出身、留学生として東大大学院で学び、現在はテレビ朝日報道局でインターネットテレビのニュース番組を担当している。パンダ誕生に上野が盛り上がっていると聞き、彼女が修士論文として書いた1冊の本を思い出した。タイトルは「革命とパンダ」(イースト・プレス)。パンダには日本人のステレオタイプの中国イメージが投影されているという。

 「ええ、1960年代の日本にとって中国は『革命の国』でした。でも70年代に『パンダの国』へイメージが変わる。72年2月の連合赤軍によるあさま山荘事件が分岐点でした。アメリカのニクソン大統領が毛沢東主席の中国を訪問する。そのシーンをテレビで見ていた連合赤軍のメンバーはショックを受けたと回想しています。幻想が崩れましたから」。張さんにとっては、生まれるはるか昔の異国での事件である。だが、そのテレビ中…

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