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上空と地下、生命圏より広く 過酷環境にも微生物存在

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 上空や深海の地下深くで微生物が相次いで見つかり、生命が存在できる範囲が私たちの想像以上に広がっていることが分かってきた。生命の「限界」を知ることは、地球上の生命の起源とともに、地球外生命の存在を探る手がかりになるとして注目されている。【酒造唯】

 ●紫外線に耐え

 生物が存在できる範囲を示す「生命圏」。これまでは、大気の最下層にある対流圏(高度約10キロ)と、深海の範囲に限られるとみられていた。特に私たちが暮らす対流圏では、地表で温められた大気や水が循環し、生命を育む条件が整っている。一方、その上の成層圏(同約10~50キロ)では遺伝子を破壊する紫外線や放射線が降り注ぎ、低温低圧(マイナス70度、0・1気圧以下)の自然環境は生命には適さないとみられていた。

 しかし、こうした過酷な環境でも微生物が存在していることが分かってきた。千葉工業大や宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは昨年6月、北海道大樹町のJAXA実験場から気球を上げ、成層圏の微生物を捕獲する実験をした。気球に載せた採取装置を成層圏で切り離し、落下の際に空気中の微生物をキャッチして地上で回収する仕組み。この実験の結果、高度13~27キロで計21個の微生物を採取することに成功した…

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