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健康狂想曲

健康への関心が今ほど高まっている時代はありません。あふれる情報や「健康であるべきだ」という圧力に、どこか息苦しさを感じている人もいると思います。日本人の置かれた健康をめぐる状況を探る連載「健康狂想曲」を展開します。

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第2章・広がる格差/1 治療費払えぬ「限界層」

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糖尿病の治療費の自己負担が重く、十分な治療が受けられないまま重症化して入院した首都圏の男性(33)。自らを「医療貧困だ」と話す=東京都中野区の中野共立病院で
糖尿病の治療費の自己負担が重く、十分な治療が受けられないまま重症化して入院した首都圏の男性(33)。自らを「医療貧困だ」と話す=東京都中野区の中野共立病院で

 ●中断し病状悪化

 「医療貧困ですね。生活には不安しかない」。首都圏の糖尿病の男性(33)は入院中のベッドで寂しげに話す。血糖値がうまく管理できず、インスリン注射を勧められても、金銭的な負担が重いことを理由に拒否。入院も拒んでいたが、右足に壊疽(えそ)が出てきたため、設備業の現場監督の仕事の合間を縫って入院した。月の手取りから借金の返済、光熱費、家賃を引けば残り7万~8万円。医療費が1万~2万円で食費3万円を引くと残りはわずかだ。体に悪いが1日1食で済ませる。借金は糖尿病で全盲となった親から自身が失業していた時に借りたもので着実に返さないと親の暮らしに影響する。生活保護にならない給与水準のため、公的な支援策は何もない。「今の医療は私のような層から金をむしり取る。倒れてみろと言わんばかりだ」と話す。

 主治医の伊藤浩一・中野共立診療所所長(東京都中野区)は「自己負担が重く治療を中断せざるを得ない患者が多い。収入はあるがギリギリの生活を送る人が困窮している」と話す。

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