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今週の本棚

湯川豊・評 『ぼくの死体をよろしくたのむ』=川上弘美・著

 (小学館・1620円)

奇妙な人々がもたらす懐かしさと慰め

 一篇(ぺん)が一万字前後だから、短篇のなかでもごく短い。それが全部で十八篇。川上弘美氏のこの類の短篇は、言葉によって世界が作り出されるのを、まざまざと見る思いがする。といっても、言葉がいじりまわされているという意味ではない。

 言葉がまことに巧妙に使われていて、たとえば青い空に浮く雲のようなものが作られている。ひとつずつ表情が異なる雲が、軽く漂っている。さわやかであったり、ときには苦味(にがみ)があったりするけれど、重苦しくのしかかってくることはない。本来、短篇とはこういうものではなかったのか、と思ったりする。

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