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香港返還20年

香港が英国から中国に返還されて7月1日で20年。その間の香港の変化をどうとらえればよいか。毎日新聞の元特派員らに寄稿してもらった。

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香港返還20年

識者2人に聞く

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 <Hong Kong 20年>

 香港が英国から中国に返還されて20年。この間の変化と、今後の展望について識者2人に話を聞いた。【聞き手・福岡静哉】

脱植民地化、闘い続く 嶺南大(香港=香港現代思想史)羅永生・准教授

 香港人は英国植民地時代、自治や民主主義の経験がなかった。英国と香港が返還交渉をした過程でも民意はほぼ反映されず、香港人にとって極めて受動的な返還だった。香港人の政治意識を一気に高めたのが天安門事件(1989年)だった。返還後は香港にも同じことが起きかねないと考え、民主主義の大切さを認識するようになった。

 こうした素地があって、香港政府が国家分裂罪などを盛り込んだ国家安全条例案を発表したことに抗議する50万人デモが2003年に起きた。だがこれを機に中国政府は民主派への締め付けを強めた。返還後20年の今、当初約束された「高度な自治」は失われている。実態は植民地時代の再来と言っても過言ではない。違う点は、香港人が当時は受動的だったのに対し今は能動的な点だ。今も脱植民地化の闘いが続いているとも言える。た…

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