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論の周辺

ナショナリズムの歴史的背景

 ここ数年、中国が領土や資源に関してナショナリズムを噴出させる様子を目にしてきた。歴史問題をはじめ日中間のさまざまな課題の背景にも、両国のナショナリズムが深く関わっている。現代の日本人が、大国である隣国のナショナリズムと、どのように向き合っていくかというのは重いテーマだ。

 そのことを考える糸口を与えてくれるのが、中国近現代史の専門家である小野寺史郎さんが書いた『中国ナショナリズム』(中公新書)だ。19世紀末の清末期から現代までの約120年間の歴史をたどる中で、中国のナショナリズムの様相を丁寧に、バランスよく検証している。

 本書によると、もともと多民族国家の中国では、清においても古来の歴代王朝と同様、華夷思想に基づく統治が行われていた。近代西洋由来の国民国家とは異なる論理で成り立つものだったが、19世紀になるとアヘン戦争などを通じて掘り崩されていく。近代国家としての「領土」の意識が生まれたのは、清末に至って、日清戦争の敗北で台湾を失い、列強による各地の租借などの利権獲得にさらされる過程においてだった。

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